ファントムロード

2017年1月1日

バリ島に3回ほど旅行に行くと、
ガイドさんに観光地やサーフポイントに、
案内してもらうのではなくて、
自分で好きな時に自分で運転をして、
あちこちに走り回りたいと思うようになります。
僕は日本の免許センターで国際免許を申請して、
再びバリ島にやって来ました。

とりあえず宿泊先のホテルのフロントで、
バイクのレンタルをお願いしました。
15分ほどでバイクを持って来てくれて、
使い方の説明をしてもらいました。
レンタル料金は1日700円でした。

バイクにまたがってヘルメットを被り、
エンジンを掛けてサイドミラーを調整して、
アクセルやブレーキが作動するか確認をして、
ウインカーとかライトのスイッチを、
何度かON、OFFにしてまずは、
バイクの操作に慣れるようにしました。
肝心のバリ島での走行する交通ルール?は、
ほぼ日本と同じ左側走行です。

とりあえず少し走っては、
ホテルまでUターンをするの繰り返しで、
少しずつ慣れていき距離をのばしていきます。

アクセルを手前に回すとバイクが前に走り出し、
目の前の景色が後ろに流れ出す、
頬をなでる風の強さが増して行き、
お腹の底が興奮で沸騰するような、
心が躍動する瞬間とワクワクドキドキ感を、
この空間を移動する事で全身で感じている。

ここは今では車やバイクでは通る事が出来ない、
雨季のサーフポイントで有名な、
スランガンまでのファントムロード。

時間と空間

旅をするという事と、
空間を移動する事は同じ事なのか?
では時間というのはその過程の、
秒針でしかないのか、
地球が宇宙に落ちていく、
宇宙が膨張していくという妄想の、
その過程の物差しが時間なのか?
果たして空間と時間は存在するのか?
誰が決めたのか?

時間というものには逆らう事が出来ない、
契約の上で存在を許された、
生と死そして動と静、
相反するものが生み出すエネルギーを、
時間というものは大好物なのでしょう。
正義と悪は存在しないのに、
それをあるかのように人類に思い込ませ、
オスとメスの交尾が生み出す時のエネルギーは、
空間を新しく美しく誕生させます。
春には野に花を咲き誇り、
乙女の心には待ち人が来る事を望んでいて、
海と陸には他者の生きる糧の為に、
生まれて来た数多くの生命がいる。

ファントムロード

時間という支配者の空間の中で、
僕たちは生まれて死んでいく。
人間とは何かを知らされる事もなく、
食べて産んで死んでいく。
だから新しい命が誕生する事を、
時間は知っている。
時間とは過去から未来ではなく、
命とは生から死ではなく、
どちらも一方通行ではありません。
螺旋状に巡り巡り、
周っているようなもの。
僕たちが歩いているのは、
時間という名の、
ファントムロード。